外資金融で働く社員の1日に密着——チャレンジする人に、チャンスがある

JPモルガン社員のあみさん

就職先として人気が根強い外資系金融機関。そこに就職を果たした若手社員は、どのような職場で、どんな人に囲まれて、どんな仕事をしているのか。プライベートではどのような時間を過ごしているのだろうか。グローバルにビジネスを展開する米系金融機関J.P.モルガンで、調査の仕事をするあみさんの生活を少しのぞいてみた。

2017年4月に新卒でJ.P.モルガンに入社。株式の営業部門を経て、現在は調査部門でジュニア・アナリストとして企業分析に従事。現在の担当は食品・トイレタリー業界で、分析結果は、シニア・アナリストが出す各銘柄の投資指針を定める際の重要な参考材料となるため、彼女の仕事は大きな責任を伴う。

朝は8時に出社

出社するあみさん


会社までの移動時間はマーケットの動きや担当業界のニュースをチェックする

スマホを見るあみさん


オフィスのデスク風景

デスクの風景

本人提供

会社に着くと、すぐにパソコンを立ち上げ、メールやマーケット状況をチェック。消費財の担当なので飲料、食品、化粧品、たばこなど業界は多岐に渡り、チェックしなければならない専門雑誌も多い。

「さまざまな側面から1つの企業を俯瞰することが企業調査の醍醐味」と彼女は言う。

まずは、財務指標や統計数値から市場および企業の実態を読み解く。それに加えて、企業の説明会や取材を通して、企業の経営の内面や今後の戦略についてより詳細に理解する。また日常生活でも、各消費財のトレンドや消費者嗜好に関する情報収集は欠かさない。

今日は社内のカフェでランチを購入

社内のカフェで


社内のカフェでランチをしながらメンターとミーティング

メンターとミーティング

J.P.モルガンはメンター制度が充実している。大学時代は複数の企業でインターンを経験したが、J.P.モルガンを第一志望に決めた理由は「人」だったという。

中でも、就職期間中も内定者期間中もサポートしてくれたメンターの存在は大きかった。 現在のメンターは、マーケッツ(為替・債券・株式)部門で債券のセールスをしている加納さん。

「あみさんにはチャンスを見つけて、それを自分のものにする力がある。入社して間もないのに本当にやりたい仕事をしているのも、彼女のそうした行動力が形になった結果。彼女はいい意味で落ち着いてもいるので、今の調査の仕事には合っていると思います」(加納さん)

直属の上司は憧れの存在

上司とあみさん

目標とするシニア・アナリストと一緒に仕事ができて、学ぶことは多い。

直属の上司である角田さんは、消費財セクターのトップ・アナリスト。20年近く第一線に立ち続けており、国内はもとよりグローバルな機関投資家から頼りにされている。その洞察力に裏付けられたシャープな分析に事業会社のトップマネジメントから一目置かれている。

2011年からJ.P.モルガンで働いているが、前職の外資系証券会社で、日本の調査部で女性として初のマネージング・ディレクターに昇格したそう。あみさんにとって角田さんは「憧れの存在」だという。

「角田さんのどこに憧れますか?」と聞いたら、「全てです」(あみさん)。

アナリストとして活躍できる人材とは

あみさんの上司、角田さん

角田さんは、あみさんをどう見ているのだろうか。

「目的意識がはっきりしている。『セルサイドアナリストになりたい』という核を明確に持っており、明るい性格が強みです」

アナリストとして活躍できる人材については、こう話す。

「アナリストは今起こっていることのその先の展開を予想していく仕事ですから、好奇心が大切です。『真実を突き止めたい』、『何が本当なんだろう』と考えを深めることは、アナリストとしての技術を高める以上に、自己啓発につながります。金融業界で活躍するには人に影響を与える力、人を動かす力が必要です。その意味では今後ますますエモーショナル・インテリジェンス(EQ)を高めていくことが大事になるでしょう」

ボランティアは社内でも社外でも

ボランティアをしている風景

高校時代に住んでいたシンガポールでもボランティアを日常的にしていた。

今の職場のJ.P.モルガンは、会社全体がボランティア活動に積極的。毎週のようにいろいろなボランティア活動が企画されている。

今回は社内で「ビヨヨンヘビ」を作るイベントに参加。兄弟姉妹が病院に入院している子どもたちが病院で遊ぶためのおもちゃになるのだとか。 地域の清掃活動や、ファンドレンジングのためのスポーツイベントに参加することもある。

社内研修は、多くの学びと多くの仲間が得られる貴重な機会

NYでの研修風景

本人提供

入社後の海外研修も、外資系金融機関に入社する魅力の1つである。J.P.モルガン マーケッツ(為替・債券・株式)部門の研修にはニューヨークだけでなく、ロンドン、フランス、香港、シンガポールと世界各国から新入社員が集められる。

研修期間中は試験が1週間に約2回行われるなど、プレッシャーも大きいが、「全世界の同期と密な時間を過ごすことで、横の繋がりを作ることができた」と非常に有意義だったようだ。

現在の調査の仕事にはグローバルな情報収集も欠かせないため、各国に散らばった同期とは今も連絡を取り合っているとのこと。 ニューヨーク研修の前には、国内の同期メンバー内での結束を深めるための国内研修があった。チームに分かれて指定された形のオブジェを制限時間内に組み立てたり、オリエンテーリングの要素を取り入れた、チームワークが試される屋外での体験学習が中心。

1週間とかなり短い期間ではあったが、この仲間とは今も定期的に同期会を開催するそう。

趣味は旅行。旅先でも現地の消費動向に興味をそそられる

中国への旅行

本人提供

趣味は旅行。学生時代に欧州やアジアなど、さまざまな国を旅した。昨年は桂林、今春は、休暇を利用して上海・四川を訪れた。写真は黄龍の五彩池。光に反射して青色に輝く湖面は目を見張る。

今回の旅行ではアナリスト魂がわいて、現地のデパートやコンビニにも立ち寄った。日本の商品の陳列状況や競合製品を生で見たかったからである。

実際に現地に行き、「分析結果と実態が合致していることを自分の目で見たときは感動した」という。

週末は仲良しの妹と食事に

妹と食事

本人提供

週末はアナリスト資格の勉強や個人的に気になったことを調べるなど自己研鑽も欠かさないが、友達と食事に行くなど、できるだけリラックスすることも心がけている。

この日は妹とディナー。妹とはシンガポールでも一緒に過ごし、お互いのプライベートについても話ができる仲の良さだとか。

体力づくりのためジョギングも

皇居でランニング

本人提供

学生時代からジョギングは趣味。複数回、マラソン大会に出たこともある。今は運動不足の解消・体力づくりのために走っている。ジムで走ることが多いが、友人と時間が合ったときは皇居ランも行う。

いつも好奇心を持って

笑顔のあみさん

J.P.モルガンのような外資系金融には、チャレンジする人にチャンスが与えられる風土がある。そして、同じように切磋琢磨する多くの仲間が世界でつながっている。

こうした職場環境が、あみさんを日々成長させている。


プロフィール:JPモルガン証券株式調査部ジュニアアナリスト。一橋大学商学部卒業。大学時代は経営学を専攻、授業で業界や企業分析をする中で、調査業務に興味を持つ。高校時代はアジアの金融ハブであるシンガポールに滞在し、金融業界への憧れを持った。2017年にJPモルガン証券に入社、株式営業部を経て現職。

J.P.モルガンの採用情報などについて詳しくはこちらから:

外資系金融でキャリアが広がる「モビリティ」制度

外資系金融について、あなたが知らない5つのこと

Popular

Popular

BUSINESS INSIDER JAPAN PRESS RELEASE - 取材の依頼などはこちらから送付して下さい

広告のお問い合わせ・媒体資料のお申し込み