海外での取り組み

海外成長市場での取り組み

新興国において、情報通信サービスの普及は、さまざまな社会課題の解決につながります。KDDIは国内外で培った通信サービスの経験やノウハウ、技術力を新興国に提供し、安定した通信品質をお届けすることで、それぞれの国民の皆さまの生活の質の向上と経済発展を同時に目指しています。
また、直接事業を展開していない新興国においても、KDDI財団を中心に通信インフラ環境の整備などを支援しています。

海外におけるデータセンターソリューション

KDDIのデータセンターブランド、「TELEHOUSE」はお客さまの機器をお預かりし、24時間365日体制で運用保守サービスを提供しており、グローバルビジネスのプラットフォームとして多くのお客さまにご利用いただいています。

「TELEHOUSE」は、10以上の国、45以上の拠点に展開しており、30年以上の運用経験に基づく信頼性とサービス品質に加え、世界有数のIX(インターネットエクスチェンジ)・通信事業者・クラウド事業者などが集積している接続性の高さが評価されています。また、高い電力供給能力を備え、高効率かつ高信頼の電源設備や省電力の空調設備などを実施しており、データセンター事業において、2026年度にはCO2排出量実質ゼロを目指しています。

グローバルネットワークの維持・運用

KDDIは、世界の通信事業者とネットワークを相互に接続し、各社と協力して世界各地を結ぶグローバルなネットワークを維持・運用しており、KDDIの国際通信サービスでは、信頼性に優れた光海底ケーブルを基幹ネットワークとして利用し、高品質なサービスを提供しています。また、コネクティッドカーに代表されるIoT世界基盤の新しいプラットフォームを用いたサービスの提供を行っています。
海底ケーブルは、日本の国際トラフィックの99%※1を収容する重要な社会インフラで、今後も増加が予想されるアジア、太平洋地域の通信需要に対応し、これまで以上に信頼性の高い通信サービスを支えており、KDDIグループが有する海底ケーブル敷設船「KDDIケーブルインフィニティ」「KDDIオーシャンリンク」が精度の高い海底ケーブル敷設技術を用いて、信頼性の高いグローバルインフラの建設や保守を担っております。
これらの国際通信サービスをKDDIではグローバルネットワークオペレーションセンターを中心として取り扱い、世界中のあらゆる地域で通話・データ通信を可能にし、日々、国際通信サービスを守っています。

  1. ※1当社調べ

海外における事業展開

ミャンマーにおける事業展開

ミャンマーにおいて、KDDIは2014年に住友商事株式会社と合弁会社KDDI Summit Global Myanmar(以下、KSGM)を設立しました。
KSGMは、通信事業ライセンスを有して電気通信事業を営むミャンマー国営郵便・電気通信事業体(Myanma Posts & Telecommunications、以下、MPT)との間で2014年に通信事業運営に関する契約を締結し、同契約の下、MPTへの支援を通じて、ミャンマーの電気通信事業に貢献しています。2014年以前、携帯電話普及率は1割程度でしたが、現在では、サービス提供エリアは全国に広がり、携帯電話普及率は115%※2に達しています。

  1. ※2出典:GSMA Intelligence

KDDIは、2021年2月1日の緊急事態宣言以降ミャンマーの情勢が緊迫していることを、深く憂慮しています。2021年4月には、同年3月にミャンマー日本商工会議所が表明した声明を支持する内容を当社HPにて公開、同年9月には、緊急事態宣言以降の現地通信事業と人権への取り組みに関して、ステートメントを公表してきました。
また、2022年には、世界的に著名な人権コンサルタントに依頼し、人権影響評価を行いました。同コンサルタントからは、「全従業員の安全確保」、「継続的な人権デューデリジェンスの実施」、「信頼できるステークホルダーとの対話と支援」などの行動を推奨いただき、これに沿って人権対応の取り組みを継続しています。
ミャンマーの人々の人権が守られ、事態が早期に平和的に解決されることを切に願っています。

モンゴルにおける事業展開

MobiCom Corporation(以下、モビコム)は1995年に設立され、1996年には同国初の携帯電話サービスの提供を開始、以来、27年に渡り、通信インフラの整備を通じて、同国の経済発展・国民生活の向上に貢献してきました。
2022年度には、5Gサービス提供開始に向けた実証実験の実施や、インターネットで契約可能なポストペイド(通信料後払い)プラン「Hyper」※3の提供をモンゴルで初めて開始し、店舗が少ない地方の方々にも、オンラインでポストペイドサービスの申し込みを可能にするなど、お客さまに快適な通信環境をお届けすることに努めています。
KDDIは、2018年以来、人財交流プログラムとして計10名を超えるモビコム社員を受け入れ、法人営業やセキュリティについて、KDDIでの業務を通じた研修を実施しています。このような人材交流を通じ、モンゴルにおける通信ビジネスの高度化に寄与しています。
KDDIは引き続き、通信事業およびその周辺事業の展開を通じて、モンゴルにおける豊かなコミュニケーション社会の実現に貢献していきます。

  1. ※3モビコム公式アプリ(インターネット)で契約手続が可能なポストペイドプラン。従来プランはショップでの書面契約が必要であったが、アプリでの契約が可能になったことで、ショップの少ない地方に住むお客さまも容易にサービスを利用可能。

KDDI財団の取り組み

KDDI財団は、旧KDDからの国際協力事業を継承し、現地の実情と人々の立場に寄り添いながら、約50年にわたり途上国を中心とした国際社会の持続的な成長に貢献してきました。2022年は新型コロナウイルスの影響を大きく受けましたが、現地での活動は本格的に再開するとともに、オンラインの活用や支援の現地化も進めています。

モンゴル

ルーラル地域でのFM緊急警報放送システムの調査研究

FMラジオ放送による緊急警報放送システム(EWBS: Emergency Warning Broadcast System)は、日蒙での調査研究を完了し、パイロットプロジェクトに発展しています。

ルーラル地域でのネットワーク構築プロジェクト

ルーラル地域での光ネットワーク拡張プロジェクトでは、過疎地域での効率的なネットワーク構築手法を導入し、医療・教育・行政分野といった社会基盤のみならず、観光ツーリズム強化など地域活性化に貢献しました。

ベトナム

ドローンを活用した災害対策システムの構築

ドローンから撮影した被災地の画像を分析するシステムを構築し、そのプロジェクトの成果や活用案を報告しました。

チャットボットを活用したeサービスプラットフォームの調査研究

新型コロナウイルス感染症の症状ごとのオンラインアドバイスに加え、チャットボットプラットフォームに関する標準化について研究しました。

eラーニングプロジェクト

コロナ禍で離職した技術者の再教育や就職支援のためのeラーニングプラットフォームを整備するプロジェクトを支援しています。

手話学習システムの調査研究

AIを活用した手話学習システムの調査研究に取り組んでいます。

ネパール

スマートネットワーク技術を活用した地域行政サービスの展開

ルーラル地域のダル郡でのネットワーク拡張プロジェクトでは、医療・教育・行政分野のデジタライゼーションを促進しています。

ICTによる地域医療支援

NGOと協同し、モバイルアプリを利用した地域住民の健康管理に加え、医療機関が保有する医療情報の電子化の取り組みを進めています。

視聴覚障がい者向けデジタル教材によるインクルーシブな教育

ラリトプール市の特別支援学校を対象に手話や音声読み上げ機能付きのデジタル教材の導入に取り組んでいます。

タブレットを活用したICT教育プロジェクトの拡大

コロナ禍の自宅学習で利用したタブレットを通常授業で活用するICT教育プロジェクトを推進しています。

論理的思考を育むためのロボットプログラミング教育

論理的思考を育むための「楽しみながら学ぶロボットプログラミング教育」では、11校に対して現地の先生方向けの取り組みを継続し、2023年6月に支援校間によるロボット競技会を開催しました。

カンボジア

KDDIスクールへの支援

コロナ禍で延期されていた「Tumnop 109 KDDIスクール」の開校式を2023年1月に執り行いました。あわせて、既設の「Chheu Teal KDDIスクール」に隣接する小学校に目的教室「KDDI Learning Center」を建設し、PC・英語教室を開始しました。

伝統芸能「大型影絵芝居(スバエク・トム)」継承支援

ティー・チアン一座に対し、人形制作、上演機会提供にかかわる支援を継続するとともに、将来を担う後継者育成を目的とした研修への支援を開始しました。

ミャンマー

ビレッジスクールにおいて新規カリキュラムで授業実施

ビレッジスクールにおいて新年度カリキュラムにて授業実施し、美術を中心に英語、パソコン、音楽の授業を継続実施しました。

ラオス

ネットワーク技術研修

ラオス通信規制庁においてAPNIC(Asia Pacific Network Information Center)から講師を招き、ネットワーク技術研修を実施しました。