コロナ禍でも、自分の夢を切り開くAirbnbホストたち

主なポイント

  • 自らもAirbnbのホストになるために箱根に移住し、構想7年を経てオープンしたファンタジー溢れるツリーハウスを営む寺田和弘さん、そして親子の夢が詰まった朝食付きゲストハウスを始めたnoRo bagelのノロ子さんのホストジャーニーをご紹介します。自由で縛られない発想と行動力で、未来を切り開くお二人にスポットライトを当て、コロナ禍でのニューノーマルな時代の新たな生き方を考えます。

主なポイント

  • 自らもAirbnbのホストになるために箱根に移住し、構想7年を経てオープンしたファンタジー溢れるツリーハウスを営む寺田和弘さん、そして親子の夢が詰まった朝食付きゲストハウスを始めたnoRo bagelのノロ子さんのホストジャーニーをご紹介します。自由で縛られない発想と行動力で、未来を切り開くお二人にスポットライトを当て、コロナ禍でのニューノーマルな時代の新たな生き方を考えます。

構想から7年の歳月を経て完成したツリーハウス、母娘の夢が詰まったベーグル屋さんが始めた朝食付きゲストハウス

100年に一度と言われるパンデミック禍の中で、今までの常識や価値観が変わり、自分にあった生き方や暮らし方を改めて考え直す人も多いのではないでしょうか。今回は、自らもAirbnbのホストになるために箱根に移住し、構想7年を経てオープンしたファンタジー溢れるツリーハウスを営む寺田和弘さん、そして親子の夢が詰まった朝食付きゲストハウスを始めたnoRo bagelのノロ子さんのホストジャーニーをご紹介します。自由で縛られない発想と行動力で、未来を切り開くお二人にスポットライトを当て、コロナ禍でのニューノーマルな時代の新たな生き方を考えます。

Case 1

構想から7年、暮らせるツリーハウスを実現。自らも箱根に移住し、ファンタジー溢れる世界を広めてAirbnbの良さをもっと知ってもらいたい

寺田和弘さん(神奈川県、箱根町)

“中村拓志氏設計” 箱根の暮らせるツリーハウス、小さくても全て足りる、森と共に生きる。

まるで絵本の中に出てくるようなツリーハウス「treefullhouse」は構想から7年の歳月を経て今年の2月に箱根に完成した。著名建築家の中村拓志氏が設計。ホストの寺田さんは、このツリーハウスを実現するために、自らも箱根に移住。奥様と近くに住み、別の仕事も掛け持ちしながら、七転八倒しながら実現させたと語る。

「世界に発信できるものを作りたかった。この僕のツリーハウスは、実はAirbnbにしか載せていません。それはAirbnbの世界にこれまで感動してきたからなんです。ポートランドやバンクーバーを旅した際に、たくさんのAirbnbの宿にも泊まり、そこで多様なリスティングの形、そして多くのホストに出会い、多様な世界に触れ合った。これまで知らなかった世界が広がり、僕も多様な生き方を世界に広めたいと思ったんです。わずか6坪の小さな空間ですが、細部までこだわり抜きました。例えば、手すり、一つ一つにもこだわりのストーリーがあります」(寺田さん)。

箱根にある300坪の敷地にたった3本柱で建つツリーハウス。自然の美しさを引き出し、細部まで徹底的にこだわったミニマルな空間は、コロナ禍の今、「生きるとは?」を問いかけてきます。このツリーハウスのコンセプトは、上勝町のゼロウェイストから産まれたもので、出来るだけゴミを出さないように設計されている。アメニティも、持ち帰って繰り返し使用出来る歯磨きセット、ボディタオル、使い切りの小さなオーガニック石鹸など、こだわり抜かれている。

「その人に会いに行くことが究極の体験ではないでしょうか?何もないし、不便だけど、薪がはじける音を聴き、火をながめ、そばにいるひとの温もりを感じたり。ゲストの方々に、ほんのひとときでもファンタジーを感じてもらえれば、何より幸せです」と語る。人と人との絆がこれまで以上に問われる時代、父と息子の絆を深める男同士の利用も多いという。

「近隣にあるNOBU(ノブ)こと松久信幸氏がプロデュースしたブルワリーレストラン『GORA BREWERY & GRILL』や近くの寿司屋なども紹介します。お気に入りのポーラ美術館の楽しみ方もご紹介したり、その日のゲストに合わせて選書も変えたり、誕生日だったらお花を添えてあげたり、実はここで告白したカップルも何組かいるんですよ。素敵ではありませんか?」(寺田さん)

1番嬉しかった思い出を聞くと、「3姉妹がお母様と東京から来てくれて、本当は2名が定員なんですが、狭くても良いのでということでお越しいただきました。長女が感動してくれて、将来は建築の勉強をして、建築家になってツリーハウスをつくりたいって言ってくれたんです。僕のツリーハウスにインスパイアされたと聞いて、こんな嬉しいことはありません!」と、目を輝かせて語ってくれた。

「今後の夢は、主客一体の宿の家を作りたい。その人がもてなす、その人に会いに行く。日本の文化を取り入れたり、文化的な人がもてなす体験だったり、究極のラグジュアリー体験を作りたいですね」(寺田さん)。

寺田さんの夢が詰まったこのツリーハウスは、今後、日本各地及び東アジアで製作、販売していく予定だという。あらゆるボーダーを超えるツリーハウスの今後の展開に注目したい。

Case 2

東京のベーグル屋さんが始めた朝食付きゲストハウス。母と娘の夢の詰まった昭和レトロな温かなお宿は、地元の人にも愛される存在へ。

noRo bagelのノロ子さん(神奈川県、逗子市)

ベーグル屋企画の民泊「ハルちゃん」逗子マリーナ近くの宿で自慢のベーグルを堪能

逗子マリーナの近くに、昨年末にオープンした昭和レトロなゲストハウス「民泊ハルちゃん」。少し高台にある2階建てロフト付きの一軒家のゲストハウスは、ホストのノロ子さんの次女の名前をつけた宿だ。Airbnbを利用して国内の古民家を旅行していたノロ子さん。「大好きな鎌倉の近くで、楽しい宿を作り、せっかくだから東京板橋区で営んでいるパン屋「noRoヨコノロ」のベーグルを出せないか?そんなアイディアを娘と話していたところ、ネットで物件を見つけてくれました。私の思いがわかる方に全てリフォームをお願いし、思い描いていた宿が完成しました。完成した時は、本当に嬉しかったです。」(ノロ子さん)。

もともと保育士をしていたノロ子さんだが、アレルギーをもつ子供でも食べられるパンを作りたいとパン屋に転身。そして現在は、パン屋とゲストハウスという二つの顔を持つ。子供や女性たちをサポートしたいというホストさんの思いが詰まったゲストハウスは、ロフトを作り、安全に遊べるよう、子供の視点をふんだんに取り入れた。「子供たちが基地のように楽しんでくれたら嬉しいなと思ってロフトも作りました。お陰様で、ゲストはほとんど家族や小さな子供たちが使ってくれているます」(ノロ子さん)。

さらに嬉しいことに、このリスティングでは、美味しいスープとホストさんが東京で営むパン屋さんのベーグルをいただくことができる。「ゲストさんには、冷蔵してあるスープとベーグルを自分で温めて食べてもらっています。朝食がなくて困っている方も多いと聞くので、まずは私がテストでやってみようと思いました。大好きなパンを出しながら、ビジネスにもなるし、これはやらないわけにはいかない(笑)」(ノロ子さん)。

朝食付きゲストハウスは、宿泊ゲストだけでなく地元の方にも好評だ。現在は、運営管理は地元の会社に任せ、ご自身は東京に拠点を置きながら、月末の週末に東京で焼いたパンを「民泊ハルちゃん」でも移動販売している。

「今、なかなか直接ゲストに会うことはできないですが、現地でサポートしてくださる運営管理会社さんが送ってくれるゲストのストーリーを聞くのが楽しみです。この前も塾の合宿で使ってくださり、とびきり美味しい朝食があるからとても良かったと言ってくれました。」(ノロ子さん)。

ホームページを作ったり、ロゴを作ったりと、お母さんの夢を後押ししてくれた当時はまだ高校生だった娘さんも、もうすぐ大学生になるという。「次女は、海外に留学していたのでまだ完成した様子を見てなかったのですが、今度帰国するので楽しみです。大学生になったら色々手伝ってもらおうと思います」(ノロ子さん)。

サイクリストも多いので、自転車のポールを室内に入れたり、今後はサイクリストも取り入れていきたいと語る。東京を拠点にしながら、大好きな新たな土地でベーグル屋さんが始めたゲストハウスは宿泊客のみならず、地元の人にも愛される新たな居場所になっている。終始、ニコニコしながら楽しそうに自分のリスティングのことを話すノロ子さんから聞く数々のエピソードが、これからも楽しみだ。