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ニュースリリース 新型コロナウイルス感染症ワクチン候補MT-2766 第2/3相臨床試験の第3相パートについて~変異株が優勢な環境下で良好な有効性と安全性を確認~

2021年12月7日

 田辺三菱製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:上野裕明、以下「当社」)は、 連結子会社であるメディカゴ社(本社:カナダ ケベック市、社長:長尾 隆)が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の予防をめざして開発している植物由来のウイルス様粒子(Virus Like Particle、以下「VLP」)ワクチン(開発番号:MT-2766)の第2/3相臨床試験の第3相パートにおいて良好な有効性と安全性を確認したことを、グラクソスミスクライン社(本社:英国 ロンドン、以下GSK)と共同で発表しましたので、お知らせします。なお、MT-2766はGSKのパンデミックアジュバントを併用しています。

 メディカゴ社は、MT-2766について、24,000人以上の治験参加者を対象にした第2/3相臨床試験の第3相パートの投与を終了し、この度、中間解析を行いました。本第3相パートの中間解析により得られた結果の概要は、以下の通りです。

【試験概要】

  • 実施国:カナダ、米国、英国、メキシコ、アルゼンチン、ブラジルの計6か国
  • 被験者:24,000人(18才以上)をMT-2766群、プラセボ群に無作為に割り付け
  • 用法用量:VLPワクチン3.75μgとGSK社のアジュバントを併用し21日間隔で2回筋肉内投与
  • 評価項目:発症予防の有効性と安全性

【中間解析結果】

  • 本試験実施期間中は主に変異株(オミクロン株を除く)が流行しており、本試験で認められた発症例はすべて変異株だった。すべての変異株におけるMT-2766のプラセボに対する有効性は71%。
    • 変異株毎の有効性は、デルタ株、ガンマ株において、それぞれ75.3%、88.6%。
    • アルファ株、ラムダ株、ミュー株については、プラセボ群では12例の発症例が認められたが、MT-2766投与群では発症例は認められなかった。
  • SARS-CoV-2ウイルスに対する抗体を持たない被験者に対する有効性は75.6%
  • MT-2766投与に関連する重篤な副反応は見られず、その程度は軽度から中等度であり、持続期間も平均で1~3日であった。軽度の発熱の頻度は、2回目の接種後でも10%未満と低かった。

 独立データモニタリング委員会(IDMC)*は、この結果を受け、進行中の第2/3相臨床試験を変更せずに継続することを推奨しました。カナダにおいては、今後速やかに承認申請を行います。カナダで承認されれば、世界初の承認となります。日本においても、第1/2相臨床試験を本年10月から実施中であり、今回得られた結果に日本の臨床試験結果を加えて、来春の承認申請をめざしています。今後、WHO、米国、英国への承認申請も行う予定です。

 MT-2766は植物を用いて製造したVLPを使用しており、承認されれば、ヒト用植物由来VLPワクチンとして世界初になります。また、冷蔵(2~8℃)での保存・流通が可能です。

 当社グループは、中期経営計画21-25において、ワクチン領域を、中枢神経・免疫炎症領域とならぶ重点領域と位置付け、ワクチン領域においても新しいモダリティの開発に取り組んでいます。すなわち、新しいタイプのワクチンとなる植物由来VLPワクチンという新たな選択肢を届けることで、世界の最重要課題である感染症予防により一層貢献してまいります。



  • *:独立データモニタリング委員会(Independent Monitoring Committee; IDMC): 臨床試験の進捗状況や安全性データおよび重要な有効性データの評価を定期的に行い、スポンサーに試験の継続や修正、中止を勧告する委員会。

本リリースに関する報道関係者からのお問い合わせ

田辺三菱製薬株式会社 コミュニケーションクロスローズ部 TEL:06-6205-5119

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