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MASHING UP SUMMIT 2023

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自身もチャレンジを重ねてきたLiLiCoさんが2人の起業家に聞く。挑戦の一歩の踏み出し方

Sponsored by NEC

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画像/MASHING UP

2023年3月8日、国際女性デーでもあるこの日に開催されたMASHING UP SUMMIT 2023では、セッション「未来を拓くのは、私。一歩踏み出して見えた新しい景色」を実施。異なる分野で活躍する2人の起業家を迎え、ナビゲーターのLiLiCoさんとともに「挑戦」をテーマに語り合った。

本セッションは、スポンサーであるNECとのコラボセッション。同社の44ヵ国18,000名の社員が参加した社内イベント「NEC Inclusion & Diversity Day 2023」の1プログラムとして、NECグループ向けにライブ配信された。

パワフルな3人のトークは、ダイバーシティやチャレンジ、人とのつながりなど、どの世代の女性にも大切なことを伝えてくれた。

社員のライフステージに合わせて、変化することを前提とした組織づくりを

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東京・渋谷区のTRUNK(HOTEL)にて開催された、MASHING UP SUMMIT 2023の様子。ステージ上左から、ナビゲーターのLiLiCoさん、HASUNA CEOの白木夏子さん、ANDART 代表取締役CEOの松園詩織さん。

撮影/中山実華

日本で活動を始め、35年を迎えたというスウェーデン人のLiLiCoさん。個性を出すと叩かれてしまうことも少なくない日本社会において、「叩かれても、それをパワーにする」よう心がけてきたと振り返る。

NECでは、社長の森田隆之さんを委員長とした「Inclusion & Diversity(I&D)推進委員会」の活動が3年目を迎えたことに触れ、起業家の2人に、会社や組織においてどのように社員の個性を尊重しているのか、I&Dに対するそれぞれの考えを聞いた。

起業のタイミングで、「NEC社会起業塾」※に参加していた白木さんは、現在エシカルジュエリーブランド「HASUNA」を創業して15年になる。

※2002年に、NPO法人ETIC.が主催、NECがオフィシャルパートナーとして協働で始めた、社会課題に取り組む若手社会起業家を育成するプログラム。

「女性が多い会社なので、さまざまなライフステージの社員がいます。結婚、離婚、出産、子育て、介護など、多様なライフイベントを乗りこなしていかなくてはいけません。例えば、不妊治療をしていると会社を休む必要も出てくるため、治療中は社員からパートタイムになった方もいました。それぞれの事情があるので、変化を前提とした組織作りをしています」(白木さん)

高額な有名アート作品などを1万円から購入/売買ができる、日本初となるアート作品の共同保有プラットフォーム「ANDART」を運営する松園さんは、起業5年目。自身も2022年に出産を経験し、ライフワークバランスを保つために試行錯誤している最中でもあるという。

「私自身は、リモートワークを駆使し、メンバーに支えてもらって何とかやっています。とはいえ、何らかの理由で仕事を休めば周囲にしわ寄せが行くのは事実。支え合うのはもちろんですが、業務が滞らないための解決策を丁寧に話していくのも、皆が優しいマインドを持つために必要なことだと思っています」(松園さん)

一歩踏み出すためには、手放す勇気や「失敗の解像度」を上げることが重要

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HASUNA CEOの白木夏子さん。HASUNAでは、ペルー、パキスタン、ルワンダほか世界約10カ国の宝石鉱山労働者や職人とともにジュエリーを制作し、エシカル(=道徳的、倫理的)なものづくりを実践。”未来へと受け継がれるジュエリーブランド”として、日本におけるエシカル消費文化の普及につとめる。

撮影/中山実華

ナビゲーターのLiLiCoさんは、「やりたいことがあるけど、私なんて……」と萎縮する女性の言葉をよく聞くという。そんななか、起業家の2人はどうやって挑戦の一歩を踏み出してきたのだろうか。

「起業した当初は、すべての業務を一人で担っていました。それもあって、社員を迎えた2年目以降も、細かいところまで口出しする癖が抜けなかった。

でも、3年目に妊娠と出産を経験し、これまでのスタイルだとどうしても時間が足りないと気付かされたんです。イライラするし、家族にとってもよくない状況でした。結局、経営に特化することにしましたが、執着したものを手放していくのは、私にとって大きなチャレンジでした」(白木さん)

白木さんは、「経営者やリーダーたるものこうあるべき」という思い込みから解放されたことで、「自分らしいリーダーのあり方」に出会えたという。

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ANDART 代表取締役CEOの松園詩織さん。2018年にアート×テックをテーマとして同社を創業。新たな経済圏の創造を目指して日本初となるアートの共同保有プラットフォームANDARTを運営する立場から、テクノロジーが秘める大きな可能性についても感じているという。

撮影/中山実華

幅広い業界で活躍するLiLiCoさんは、スタイリングやスケジューリングもすべて自分でやっているというが、「人に任せるのはすごく勇気がいりますよね」と共感しきり。一方の松園さんは、起業したときの「一歩」について教えてくれた。

「挑戦するときのコツは、『人の言うことはあまり気にしない』ことです。私のビジネスプランは、多くの投資家に『失敗するよ』と否定されました。でも、無責任な他人の言葉にゆらがないほうがいい。

もうひとつ有効なのは、失敗の解像度を上げること漠然とした不安をそのままにせず具体的に考えることで、挑戦に対するハードルが下がると思っています」(松園さん)

「挑戦の結果、もし上手くいかなくともやめればいい」。そんな風に腹をくくっておくのも大切なのだそう。LiLiCoさんは、テレビの仕事だけでなく、トークイベントやジュエリーデザイナー、ライターなどたくさんの顔を持つが、トライしてからやめたこともある。

「映画が大好きなので、20年くらい『洋画の字幕を手掛けたい』と言っていました。でも、いざやらせてもらえることになったとき、スケジュール的に難しくて断念。だから、やめる勇気の大切さもわかります」(LiLiCoさん)

周囲の人を巻き込み、メンバーにチャレンジしてもらうには?

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LiLiCoさん。映画コメンテーター、1970年11月16日生まれ、スウェーデン出身。18歳で来日し、1989年に芸能界デビューを果たす。LiLiCoさんのパワフルで愛の溢れるMCにより、セッションは大盛況となった。

撮影/中山実華

セッションの終盤では、NECグループの社員2名がチャレンジについての質問を投げかけた。1人目は、NECの新入社員である松永翠さん。「人を巻き込むために、どのように行動すればいいか」という質問だ。

自身を「“巻き込み癖”がある」という白木さんは、2つのポイントを伝授する。

「まず、最初に話しかけやすい人、わかってくれそうな人からアプローチしていくのがポイントです。もうひとつは、自分のやりたいことを、わかりやすく言葉にしておくこと。例えば『5年後にNECをこう変えていったらみんながハッピーになる』といったポジティブな言葉があると、自分も周囲もワクワクさせることができます」(白木さん)

2人目の質問者であるNECソリューションイノベータの関陽子さんは、現在管理職3年目。「チームメンバーに、多少難しいと思うことにもチャレンジしてもらいたい。どう挑戦を促せばいいか」と問う。

松園さんは「挑戦を応援する文化は、会社員時代に多くを学びました」という。

「以前の職場では、若手の抜擢や、挑戦が正義であるという価値観が浸透していました。若いメンバーが挑戦して失敗しても、トライ自体に称賛を与えます。具体的には、社内SNSなどで『今日はこんなチャレンジをしました』と報告して、周囲が『いいね』と反応できるような場づくりなど。そのような交流が、チーム内の心理的安全性を作っていくのだと思います」(松園さん)

最後に、3人からこれから挑戦をしたいと考える人へのメッセージが送られた。

「私は、以前は経営は本当に苦手だと思っていました。でも、経営者歴30年の先輩に『経営者ってみんなそう言うんだよ』と言われたんです。経営に限らず、続けていればなんとかなるし、環境が人をつくると思っています」(白木さん)

「『短期では楽観、長期では悲観』と考えるようにしています。私も『なんとかなる』というマインドが大事だと思います」(松園さん)

LiLiCoさんは、「つらいときも、自分の中にハッピーがある」というエピソードで締めくくります。

「嫌なことがあっても、太陽は昇ります。カーテンと窓を開けて『この服、私に似合うんだよね』とお気に入りを着れば、自分が輝く。そうしたら、あなたについていきたい人が絶対に現れますよ」(LiLiCoさん)

一歩を踏み出す勇気を持つために、さまざまなヒントをくれた白木さん、松園さんそしてLiLiCoさん。3人にもらったパワーで一歩を踏み出せば、新しい世界が見えてくるに違いない。

I&Dは組織を強くし、イノベーションを生み出す源泉

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MASHING UP SUMMIT 2023と同日の3月8日に行われた「NEC Inclusion & Diversity Day 2023 - Propelling innovation through equity -」の様子。ニュージーランド・デンマーク・日本をリアルタイムでつなぎ、クロストークセッションが行われた。

画像提供/NEC

NEC社内ではMASHING UP SUMMIT 2023と同日夕刻、世界同時生中継のパネルディスカッション「NEC Inclusion & Diversity Day 2023 - Propelling innovation through equity -」を開催。NEC社長の森田隆之さんと副社長 グローバルBU担当の熊谷昭彦さん、グローバルの女性リーダーらが意見を交わした。

森田さんはディスカッションの冒頭で、組織を強くするための大切なリソースとして、また、さまざまな意見を組み合わせたイノベーションを起こすために、I&Dが大切だと説明した。

熊谷さんが、仕事と仕事以外の役割の両立のための工夫や心がけを聞く。デンマークKMDのサラ・ルントタングさんは、自身の経験を踏まえて「よい仕事を続けるためのニーズについて、正直に声を上げることが大切」と述べ、家庭との両立における自らの葛藤も告白。同時に、双方が大切で葛藤も含めて楽しんでいると話した。

NECニュージーランドでは、2021年には21%だった女性リーダーの割合が、現在30%まで増加したという。同社を率いるメル・バーバーさんは、ダイバーシティを促進するポイントを、「ジェンダーや思想などあらゆる面で多様なバックグラウンドを持った人を集めるために、採用前から、社内ポリシーや職場環境が適切であることを確認することが重要。人は、つい自分と似たような人を採用しがちであるため、十分に考える必要があります」と主張。

産学とのコラボレーションや、世界最大の学術研究団体の委員、地域のコミュニティを通して積極的に活動するNEC バイオメトリクス研究所の梅松旭美さんは、「多様性を高めるには、コラボレーションが必要不可欠」と語った。それらの活動により、自分の経験にとらわれず、新しい考えや視点を持つことができると強調した

ルントタングさんが、「はじめは、女性に期待されがちな調整などのソフトタスクがあれば、常に受けていました。今は、私がやりがいを感じるビジネスの推進に対して、自分のスキルと時間を使えるようにしている」と述べると、NEC スマートシティ事業推進部門の西岡満代さんは「今まで自分はジェンダーに関わりなく仕事に邁進してきたと思っていましたが、今回深く振り返ってみると、時折心の中で『これは女性だからか、それともそうではないのか』など考えることがあったと気づきました」と話す。仕事のパフォーマンス向上に繋がるものとは言えず、「不要になることを願っています」と付け加えた。

森田社長は、同社が掲げている「2025年度末までに管理職の20%を女性にするという目標」について、大胆なアクションをもってしても実現させたい、と決意を表明。「これまでも、多くの女性や外国人から、私では気が付かなかった点を指摘してもらい、助けられました」という自身の体験を示し、多様性が企業にとって大きな力になっていく、と締めくくった。

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セッション終了後には、スピーカー3人とNECグループの質問者のお2人とで記念撮影が行われた。

撮影/中山実華

MASHING UP SUMMIT 2023

未来を拓くのは、私。一歩踏み出して見えた新しい景色

白木 夏子(HASUNA CEO)、松園 詩織(ANDART 代表取締役CEO)、LiLiCo(映画コメンテーター)

NEC

取材・文/栃尾江美

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